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    映画祭について CVC2011 作品募集 アーカイブ 協賛・後援
 








第9回目を迎えたCINE VIS CINEMA。今年度も無事開催することができました。
まずは参加者の皆様に、関係者一同、深く御礼申し上げます。
 
初日はあいにくの雨。
今回の会場は、高円寺の『studio K』。普段は演劇や演奏会など行っているそうですが、映写機を用いたイベントにもぴったりの雰囲気でした。
もしかしたら、CINE VIS CINEMAの御用達会場になるかも?!

   




Aプログラム 10月15日(土)14:00~

Aプログラムは特別上映として銀鉛画報会制作の「銀鉛画報会」を上映いたしました。

13名の個性がまったく異なる作家たちのコラボレーション。

撮影技法も考え方も違う作家たちに共通しているのは、8ミリフィルムに対する熱い思い。それが十分伝わってくる、ヒリヒリするような作品でした。

作品の最後には、山形国際ドキュメンタリー映画祭2011で上映されたときの様子も付け加えられていて、会場の熱気が伝わってくるようでした。
 


   



Bプログラム 10月15日(土)16:30~

Bプログラムからは、8ミリ・1カートリッジ作品とショートフィルム作品をそれぞれ上映いたしました。

Bプログラムは全部で6作品。

「祝島にて」(栗原みえ監督)は、水面に反射する陽の光が印象的。
「クロームマイル」(大西健児監督)は、夜の神秘的な映像をフィルム上にふわふわと焼き付けた作品。

「私立探偵MISAKI ~海風に消えたメロディー大作戦~」(山本博詩監督)は、どこまでもばかばかしく、そして愛すべき作品。技術的には拙いところもありますが、仲間内で楽しんで撮影した様子が伝わってきて、見ている側もニヤリとします。

「出張クラブ2010」
(マエダシゲル監督)は、単なる日記映画ではなく、撮影にちょっとした遊びゴコロを盛り込んでいて、観客を飽きさせません。

「祝島にて」


「私立探偵MISAKI」


「玻璃の少女」
「玻璃の少女」(徳永彩加監督)は、ノスタルジーを感じる映像づくりにこだわりを感じます。自分自身の世界観をお持ちの若い作家さんで、将来が楽しみです。

「ホル」
(高木泰宏監督)は、映像やシナリオを綿密に計算し、持てる撮影技術を惜しみなくつぎ込んでいます。見る側を裏切るストーリー上のギミックもあり、うならせます。



Cプログラム 10月15日(土)19:00~

Cプログラムは全部で6作品。


「道」
 
「道」(朴勇俊監督)は、正確なタイムキープ、絵コンテがないと実現しない作品。
「糞レイプ野郎」(中川Q矢監督)は、悪党どもが闇に蠢く様子をダークに描いています。
「真夜中の民族」(池田泰典監督)は、真夜中に道路で寝そべる猫の様子に癒されます。


「水葬」(大谷高美監督)は、撮影済フィルムと未感光のフィルムを暗室で重ねあわせ、光源を当てることで日常風景を幻想的な映像に昇華させるのに成功した作品です。

「もうスニーカーは買わない。」(栗原みえ監督)は、新年10日間を撮影しただけ?なのに、クスリと笑わせてくれる構成力が見事です。

「他人家族」(巻田勇輔監督)は、複雑なストーリーを短い時間でうまく展開させています。構成、演出、カメラワーク、1つ1つをスタッフが連携して完成させたチームワークの賜物でしょう。

 「もうスニーカーは買わない。」
 
「水葬」


「他人家族」



Dプログラム 10月16日(日)13:00~

2日目は天気も回復し、10月とは思えない暑い1日となりました。

Dプログラムは全部で6作品。


「ICE CREAM」
  「ICE CREAM」(Kei Omotaka & Dana Ollestad 監督)は、お互いの顔を撮りあい、あえて目を映さないことで色々想像させるとともに、ラストのシーンにうまくつなげています。
「かたわ地獄! 恐怖の奇形人間2011 放射能男」(にわとりのたまごろう監督)は、ショッキングな映像をつなげて原発の恐ろしさを理屈でなく感情に訴える作品。
「ブルーノスタルジア」(大西健児監督)は、どこか夢の中にいるような幻想的な映像を、ノスタルジックな音楽で包み込んだ作品。誰も作ることのできない、この作家さんの独特の世界観が確立されています。

「米やの日。」(出射広海監督)は、日記のシーンとアニメのシーンが絶妙にリンクしていて、現実も御伽噺のように見えてきてしまうのが不思議です。アニメの雰囲気も相まって、幻想的でかつホロリとする作品に仕上がっています。
   
「ブルーノスタルジア」


「米やの日。」

「キミト キミトキミト」


「君しかいない」
  「キミト キミト キミト」(鈴木晃二監督)は、普通のカップルの日常と深層を同一のフィルムに焼き付けることで、何気ない幸せを改めてかみ締めることのできる良作。

「君しかいない」(佐藤健人監督)は、主演男優の演技力が秀逸。思い込みの激しさ故の「気持ち悪さ」を 見事に演じきっています。主演女優の幅広い演技にも注目です。
 



Eプログラム 10月16日(日)15:30~

Eプログラムは全部で5作品に招待上映が1作品。

「アトミック観光」(大西健児監督)は、福島県で起きた事故をあえて非現実的にフィルムに焼き付けた作品。
「薄暗い曲角」(片岡けんいち監督)は、夜を空気のようにふわふわと漂っている様子が幻想的です。
「スクリーニング・フォー・オールドマン」(大房灰郎監督)は、8ミリフィルムの自主上映会の様子の記録映画。小さな劇場に集う作家の、熱くて緩い熱気が伝わってきます。
 
「アトミック観光」


「夢から醒めた虚しさは」


「2011年、夏」
  「夢から醒めた虚しさは」(寺口弘一監督)は、主人公のやるせないむなしさ、飲み込まれそうな感情を廃墟にオーバーラップさせることでうまく表現した作品。

「2011年、夏」(馬渕徹監督)は、日常の何気ないショットをつなげて、作家の生活のひとコマを飾らすに切り取った作品。


「牛窓」

そしてトリをかざったのは、
内村茂太監督の新作、「日本のエーゲ海 牛窓」

相変わらずの飄々とした語りとピンポイントでついてくる笑いのつぼで、見るものをにんまりとさせていました。

 
内村茂太監督

受賞作品発表&授賞式

Eプログラム終了後、選考委員の山崎幹夫監督より総評をいただき、続いて各賞の発表を行いました。
 
山崎幹夫監督
入選は、
『君しかいない』(佐藤健人監督)、
『ブルーノスタルジア』(大西健児監督)、
『玻璃の少女』
(徳永彩加監督)の3作品。

入選された監督には、賞状および副賞といたしましてコダック株式会社より、コダック・スーパー8フィルム10本が贈られました。

 

佐藤健人監督
 
大西健児監督
 
徳永彩加監督


優秀賞は、
『米やの日。』(出射広海監督)、
『他人家族』(巻田勇輔監督)の2作品。

優秀賞を受賞された監督には、賞状と副賞といたしましてコダック株式会社より、コダック・スーパー8フィルム20本が贈られました。


出射広海監督
 
巻田勇輔監督


そして、今年度のグランプリは、
「ホル」
(高木泰宏監督)に決定いたしました。

高木さんには、賞状と副賞といたしまして、コダック株式会社よりコダックフィルム10万円相当分、株式会社ヨコシネDIAより16ミリ現像サービス割引特典が贈呈されました。


 
高木泰宏監督

 


「ホル」
高木泰宏監督のコメント

「この度は僕の作品を評価していただき、その上大賞まで取らせていただいて、これ以上感無量のことはありません。これにおごることなく、これからも努力を続けて、より良い映画を作ることを目指してまいりたいと思っております。

フィルムについていつも思うことがあります。例えば日々降り注ぐいつもの陽光が木々の葉っぱの一枚一枚を輝かすとき、または小さな水の飛沫たちが川面いっぱいにきらめくとき、その光はいつも違った光で、いつも今まで一度も目にしたことのない初めての光、その日その時一回きりの光なのではないでしょうか?人の顔がみな一人一人違っているように、光も常に同じということはありません。その繊細な揺れを記録することが出来るのは、やはりフィルムだけなのではないかと思います。

フィルムはいつも、何気なく眺めているありふれた光が、本当はとんでもなく美しいものなのだということを、そしてこの世界がいつもかけがえのない時間に満ちあふれているのだということを、我々に教えてくれます。僕は何よりもこの光を愛するがゆえに、映画用フィルムを愛しているのです。これからも僕はフィルムを通じてこれらのことを表現していけたらと考えております。この度は運営スタッフの皆様、並びに審査員の先生がた、本当にありがとうございました。」


続いて、選考委員の山崎幹夫監督と寺嶋真里監督に各受賞作品についての感想を語っていただきました。

最後に、コダック株式会社久保添倫成様より、『ユーザがいる限りコダックは「フィルムをやめる」という選択はしない』という心強いお言葉を頂戴いたしました。また、映像アーカイブの重要性にも触れられ、フィルムは100年超のアーカイブ実績があり、保管さえしっかりしていれば、度重なるフォーマット更新を要するデジタル映像よりも、低コストで遥かに長期間保存できることを強調されていました。
 
寺嶋真里監督


コダック株式会社 久保添氏
 




CINE VIS CINEMAは、次回は第10回目という節目を迎えます。これほどまでに回数を重ねることができたのも、ひとえにフィルムを愛する皆様に支えていただいていたからと感謝しております。これからも、フィルムメーカーたちの作品発表の場として、また交流の場として、末永く本映画祭へのご支援を賜りたく、なにとぞよろしくお願いいたします。来年また皆様の熱い作品に触れられることを、心から楽しみにしております。
レポーター: 平野隆朗(CVCアドバイザー)



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